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雨月物語/ドンペリのコメント

rating44.2000

雨月物語へのコメント

採点

rating4

コメント

何と申しましょうか、気がつくと画面に吸い込まれるように観ていましたが・・。
(早稲田松竹にて『近松物語』と二本立て鑑賞)

ネタバレ

このレビューは物語の核心部分が明かされています。

レビュー

江戸時代の上田秋成「雨月物語」中の二作をアレンジしたという本作だが、
主軸は男が持つ欲望(金銭欲・出世欲)に現を抜かしている裏では、女が
哀しい運命を辿ることになるというお話になっている。
亡霊の若狭を加えれば、男の犠牲になった「3人の哀しい女の物語」でも
あり、描かれ方は明らかに、犠牲になる哀しい女は美しく、欲にかられて
大切なものを失う男は愚かであるという男達の自責の念が込められた話の
ようであり、この普遍的要素は世界に通用するわけで、また、和の映像美
を見せ付けた溝口の世界観は、なるほど外国でも評価され得る質の高さが
あると感じた。


夢か現か幻か・・耽美な幻想シーンには、漂う妖しさとエロティシズムが
「日本ならではの美」の中に凝縮されている。
それまでの現実感のあるシーンとは裏腹に、この朽木屋敷の醸しだす幻想性
は素晴らしいと思う。

興味をそそられた幻想のシーンだが
現実から幻想の世界へと、観客を引きずり込む空気が素晴らしいと思う。
まず京マチ子(若狭役)の能面を思わせるメイクを見た瞬間には、ハッと
するし、「この世のものらしからぬ怪しさ」を感じることが出来、幻想の
世界への誘いのようだ。
さらに、若狭と老婆に導かれ、朽木屋敷に足を踏み入れることになるその
導入もお見事。観客はこの先に待ちうけているであろう怪談めいた期待感
と不安感を持つことになるのだが、それは何を隠そう源十郎の目線なのだ。
ここでサラリと源十郎に感情移入させられてしまうのも、なかなかです。

屋敷には張り詰めた空気が漂いながら、幻想シーンだと判る雰囲気を作り上げ、
照明効果に和楽器による音響も相まって、幽玄の世界という言葉に象徴される
日本の美を徹底的に描くことに専念していることがよくわかる。
それなのに・・・日本を描いていながら日本的ではない空気を持っているのは、
やはり「腕」なのでしょうね。

映画として質が高いこととは別に、内容的にはどこか冷めてしまうという部分
があり(私には)、ラストも感動しませんでした。
トータルの評価は「3.5」というところです。


ひとつ気になって仕方がなかったのは。。。。。
田中絹代が幼子の母親に見えにくいこと。ちょちょっと老けている感じがして、
(この時40は過ぎている)私はそれを気にしないように頭の外に追いやって
観る努力を払いました。気にならない人には問題ないのでしょうけれど・・・。
それに、坊やをおんぶする時のサマになっていないことったら・・・(@@);
監督は田中絹代様を起用したかったでしょうし、なんとも難しい・・・。

評者

ドンペリ

更新日時

2008年03月30日 00時32分

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2021年12月02日 07時08
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